絶望から希望へ

厳しい人事異動にあった、おじさんが立ち直りに向けて奮闘する記録

「終わった人」と「成仏」

 内館牧子氏の「終わった人」を読みました。話の展開に引き込まれ、一気に読んでしまいました。ほろ苦さとともに昔の仲間の友情の暖かさを感じました。

 そして、続けてもう一度読みました。

 男(夫)にとって、とかく妻には自分の辛い時にそばにいてくれて気持ちを共有してほしいなんて都合よく思いがちかもしれません。

 しかし、この本では、夫の愚痴を聞くのが嫌で必要以上に早く出勤したり、自分の夢を追い求めて美容師として独立開業する様子が書かれていて、ちょっと感じるところがありました。そして、夫婦が「卒婚」する最終的な理由が「お金」の問題であったことも、「そうか。まあ そうなんだろうな」と思わされました。

 

 夫婦と言っても、結婚生活を続けているうち(あるいは仕事に没頭しているうち、子育てに励んているうちに)にいつの間にか、二人の間に距離ができ、価値観の差も大きくなり、妻も自分の夢に向かって行動するようになるのでしょうか。

 

 そしてこの小説でも出てきましたが、サラリーマンとして「成仏」することの大切さも痛感しています。

 

f:id:genkininaritaiojisan:20210523092755j:plain

 

 「成仏」とは、大江英樹氏も著書やネットの記事で書かれていますが、50代で左遷されるなど、すでに「勝負あった」人は、いつまでも会社での地位や立場に拘泥することなく、気持ちを切り替えて次の人生に向かうことです。

 会社での出世が人生のすべてでなく、それぞれの道(生活)で幸せを追求した方がいいということだとされています。

 

 このところ、いわゆる「定年本」的なものを読んでいますが、大江氏の考えが一番心に刺さりました。自分も早く「成仏」した方がよさそうです。

 

 閑職に飛ばされた時は、60歳からの生活に向けて嬉々として準備をしていけばいいとのことですが、確かに給料をもらいながら、時間をかけて自分のやりたいこと、できることを探していけるのは、ある意味ラッキーかもしれません。

 

 自分なりの「成仏」の仕方を考え、試していきたいと思っています。